009:敦子V 〜恋の手ほどき〜



 四月が来た。
 僕たちは、六年生になった。とはいってもクラス替えがないから、顔ぶれは去年と同じ。ただ学年が上がって教室が変わっただけ。担任も去年と同じゆり子先生だから、本当に代わり映えしない。
 あまり新学期という感じがしないざわついた教室に、先生が入ってきた。
 日直の号令で声をそろえて朝のあいさつ、着席。
「新学期早々なんだけど、新しいお友達を紹介します」
 先生が、妙にニコニコしながら言った。
 ああ、やっぱり転校生が来たんだ。予想はついてた。机とイスが一人分増えてたから。
 でも、次に起こった事までは予想できなかった。
 転校生が入ってきた時、教室の空気が固まった。みんな、目を見開いていた。
 凍りついた表情は男子と女子で微妙に違っていた。男子は嫌そうなものが、女子はうれしそうなものが、それぞれ混じっていた。
 転校生の女の子は、黒板に自分の名前をでかでかと書いてあいさつした。
「上村敦子です。よろしくお願いします☆」


 その日の授業は「性教育」だった。男の子と女の子の体の違いとか、赤ちゃんがどうやってできるのか、とか。
 要するに、男のチンチンを女のアソコに入れて射精すると、精液の中の精子が子宮に入っていって、卵子と受精して、赤ちゃんになる、ってことらしい。
 ……え?
 それって、つまり、僕と敦子がやってることじゃ!?
 「血の気が引く」というのはこういうことか、と体全体で感じた。先生の話なんて途中から全然耳に入らなかった。
 その日の放課後、敦子をつかまえて言った。
「もうやめようよ。赤ちゃんできちゃうよ」
 でも敦子は、余裕たっぷり。いつも通りに。
「和矢の赤ちゃんなら産みたいなあ、あたし」
「え……?」
「う、そ」
 敦子は、意地悪だけどカワイイ顔で言った。
「心配しなくても大丈夫だよ。あたし、初潮まだだもん」
「しょちょう?」
 ……って、なんだっけ?
「だから、まだ生理が始まってないから大丈夫なの! 何度も言わせないでよ、もう」
 敦子は少し赤くなって、怒ったように言った。


 出来事の二つ目は、それから何日かしてから。
 五時間目の社会の授業中だった。
 ふと前を見ると、敦子が机に突っ伏していた。居眠りするんならもうちょっと目立たないようにやれよ、と思ったけど、なんだか様子がおかしい。よく見ると、手でお腹を押さえている。
「先生! 敦子が……」
 敦子の背中を何度も指でつついていた後ろの席の女子が、とうとう立ち上がった。みんなの机の間を歩きながら授業をしてた先生も、それでようやく敦子の異変に気付いた。
「上村、どうした? 大丈夫か?」
 敦子はお腹を押さえたまま、先生の言葉にも答えない。声も出せないほど痛いのか?
 女子の保健委員が敦子に肩を貸して歩き出したけど、かなり小柄な子だからヨロヨロしてる。
 気が付いたら、席を立って飛び出していた。なんで飛び出しちゃったのかよく分からないけど、飛び出してから「しまった」と思ったけど、もう遅い。今さら席に戻れない。
「じゃあ、二人で保健室まで連れていって……」
「僕一人でだいじょうぶです」
 先生に向かってそんなことまで言ってしまった。
 廊下に出たあと、教室から「ヒューヒュー」の大合唱が起きて、僕は顔が熱くなるのを感じた。
 さっき僕とほとんど同時に、里帆も立ち上がってたな。里帆にまかせりゃよかった。僕より背が高いんだし。
 そう思いながら敦子と一緒にゆっくりゆっくり歩いたけど、途中で敦子はしゃがみ込んでしまった。もう、肩を貸しても歩けそうにない。体を丸めてるからおんぶもできない。
 これしか、ないよな……。
 僕は、両手で敦子の体を抱きかかえて持ち上げた。うっ、けっこう重い……というより、僕の力が足りないのかな?
 少しよろけながら、歯を食いしばってなんとか保健室にたどりついて、ドアを足でノックして、足で開けて、敦子をベッドの上に降ろした。
「どうしたの? 大丈夫?」
「おなか……いたいの……」
 清華先生に答える敦子の声は、すごく弱々しい。こんな敦子の声、初めて聞いた。
「さっき授業中に、いきなり……」
 僕が口を出したら、先生が
「本人から聞くからいいわ」
 って言うから、それ以上何も言えなかった。
「男の子には聞かれたくないこともあるのよ。大丈夫、私にまかせて教室に戻りなさい」
 先生の声はちょっと厳しくて、でも優しくて、温かくて、心強かった。


「尾野くん」
 先生の声、さっきまでと違う。先生に怒られちゃう……。
 思わず目をつぶった。
「セックスは、全然悪いことじゃないのよ」
 え?
「お互い好きな男の子と女の子がセックスするのは自然なこと。私はそう思うわ。私は恋する女のコの味方よ!」
 先生は妙に力を入れて宣言した。
「ただし、大事な前提条件がふたつあるわ」
 そこでちょっと言葉を切って、こっちを見る。僕と敦子も先生の言葉に集中して、じっと先生を見詰めた。
「条件のひとつめは、男の子は女の子の気持ちを、そして女の子は男の子を、お互いの気持ちを尊重すること。相手が嫌がってるのに無理やりするのは絶対ダメ」
 僕の初めての時って、敦子に無理やりされたような気がするんだけど……。でも、別にイヤじゃなかったからいいのかな? そもそも、何をされてるのか分かんなかったから、イヤも何もなかったんだけど……。
「条件のふたつめは、二人が正しい知識を持つこと。今の日本の性教育は生ぬるい! 避妊の仕方も教えないんだもの、何のための性教育なんだか……」
 そうグチをこぼしたかと思うと、
「だから、私が教えてあ・げ・る☆」


 そして一週間後。
 僕と敦子は、放課後の保健室にいた。ベッドのそばで、丸イスに腰掛けて。
 清華先生が「カウンセリング中。必ずノックすること!」と書いてある掛け札をドアに掛けて戻ってきた。窓のカーテンは全部、ベッドの周りのカーテンは半分だけ閉める。先生のデスクからベッドが見えるように。
「じゃあ、特別授業を始めましょうか♪」
 先生、なんか妙にうれしそうなんだけど……。
 デスクの前、ひじかけとキャスターのついたイスに座った先生は、脚を組んで話し始めた。
「上村さんはこないだ初潮、つまり初めての生理が来たの。で、二人とも『セックスすると赤ちゃんができちゃうんじゃないか?』って心配してると思うんだけど、どう?」
 僕も敦子も、黙ってこっくりとうなずいた。
「初潮を迎えた、つまり生理の始まってる女の子とセックスしても、必ず妊娠するわけじゃないのよ。妊娠する可能性が高い時と低い時があるの。
 それに、妊娠する可能性が高い時でも妊娠しないようにセックスすることはできるのよ」
 先生は、デスクの引き出しから小さい箱を取り出した。
「一番手軽なのは、やっぱりコンドームね」
「こんどーむ?」
「うすーいゴムでできた袋よ。これをおちんちんにかぶせてセックスすると、射精した精液はコンドームの中にたまって子宮に精子が入らないから、妊娠を防ぐことができるの」
 箱の中には、変なものが入っていた。よくスーパーのレジの前なんかにある、キャンディが一個ずつ入った袋が長くつながってる、あれみたい。
「ただし、コンドームは値段も安くて手軽に使えるんだけど、正しく使わないと効果がないの。使い方を間違えて、妊娠したくないのに妊娠しちゃう人が十パーセントもいるのよ。正しい使い方を教えてあげるから……」
 次の瞬間、先生は信じられないことを言った。
「おちんちん出して」
 え?
 思わず、ズボンの前を両手で隠しちゃった。
「正しい着け方を覚えるには、実際に着けてみるのが一番なの。これは授業なんだから、恥ずかしくなんかないわ」
 ないわ、って言われても、やっぱり恥ずかしいよ……。
「赤ちゃんできてもいいの?」
 うっ……。
 僕は仕方なく、ズボンのチャックを下ろしてチンチンを出した。
「あれ、大っきくなってないわねえ。コンドームって、勃起してないとうまく着けられないのよ」
「じゃあ、あたしが大っきくしてあげる☆」
 敦子が、僕の前で床にヒザ立ちになった。まさか……!?
 思った通り、敦子は僕のチンチンを舐め始めた。先生の目の前で! 先っぽからだんだん根元の方まで舐めて、ぱくっと咥える。ぷちゅ、ぶちゅとイヤラシイ音を立てて、頭を動かしながら口全体でチンチンをしごいてくる。
「あ……は、あッ……はぁ、は……ッ」
 やめてよ、って言おうとしても言葉にならない。
「やるわね、上村さん……」
 先生が感心したようにつぶやいた。目を細めて、僕と敦子を見つめてる。なんだか、目元のあたりが少し赤くなってるような……。
 学校で、保健室で、それも先生の目の前でこんなエッチなこと……。ものすごく恥ずかしい。
 恥ずかしいけど、気持ちイイ。


 先生は僕のチンチンの先にコンドームを乗せた。そして、へりの部分をくるくるっと巻き下ろす。
 うわあ……コンドームって、こうなってるのか。よくできてるなあ。
「はい、尾野くんやってみて」
 途中までかぶせたところで、先生が手を離す。僕も先生と同じようにくるくるっとかぶせていく。
 チンチンが、ピンク色のコンドームの中に根元まで入っちゃった。敦子も、珍しいものを見る目つきで眺めてる。
「何ぼけーっとしてるの、二人とも。脱いで脱いで♪」
 ええ? だって、コンドームの着け方はもう分かったのに、なんで服まで脱がなきゃいけないの?
 先生は「チッ、チッ」と言いながら、人差し指を口の前で左右に振った。これが口癖のスタンド使いがいたよな。
「ここまで教えちゃった以上、二人がちゃんとお互いを大切にしたセックスができるかどうか、見届ける義務が私にはあるのよ!」
 見届ける、って……つまり、先生の前で敦子とエッチしてみせなさいってこと?
「動物の交尾は本能だけでできるけど、人間のセックスはね、ちゃんと勉強しないといけないの」
 先生は立ち上がって僕と敦子の後ろに回ると、両手でいっぺんに二人の肩を抱いた。
「これは授業なんだから」
 とどめの一言だった。あきらめて服を脱いで、たたんで丸イスの上に置いて、裸になった。
 ベッドの上で、向かい合って座った。敦子は素っ裸。僕はチンチンにコンドームを着けて。ここは保健室で、しかも先生の目の前……恥ずかしい。敦子は恥ずかしくないのかな?
 クリスマスの時もそうだったけど、もしかして敦子って、人に見られながらエッチするのが好きなのかな? それってなんかヘンタイっぽい。
 で……「お互いを大切にしたセックス」って、どうすればいいの?
「難しく考えなくてもいいわ。セックスは一人じゃなくて二人でするもの、それが分かってればいいのよ。いつも通りでいいの。固くならずに。あ、おちんちんは固くしてね☆」
 いつも通り……じゃあ、キスからかな。
 立ちヒザになってにじり寄って、唇を合わせる。なんとなく、手を握りあってた。いつもはこんな事しないのに。先生が見てるからかな?
 ぴちゃぴちゃ、とエッチな音を立てて舌をからめてから、おっぱいに移る。ピンク色の乳首に左右かわりばんこに吸いついてると、だんだん固くとんがってくる。気持ちよくなると固くなるんだって。チンチンとおんなじ。
「あん、和矢ぁ、もっと……強く吸ってぇ」
 敦子がおねだりするけどちょっと意地悪して、僕の舌はつつつ、と下りていく。背中に手を回して敦子の体を反らせながら、ヘソを舌でつっついた。
 そこから足首をつかまえて、脚を前に出させてM字形に開かせる。もうエッチな液でとろとろになってるアソコが丸見えだけど、まっすぐそこには行かない。ヒザの内側から太腿の内側を、ちろちろと舐めてやる。
「ふ、ううン……んッ、あん、はぁ……かず、や……」
 太腿が閉じようとしてビクビク動いて、僕の顔をはさみつける。ちょっと意地悪しすぎたかな。
「いいよお、尾野くん。その調子。男の子ってどうしてもおまんこにばかり興味を持っちゃうけど、女の子の体はおまんこだけじゃないんだから」
 なんか、ほめられちゃった。照れるなあ。
 調子に乗った僕はじっくりと敦子の体中を舐め回して、早くアソコを舐めてほしい敦子をじらしまくった。


「ん……、和矢、もういいよぉ……。入れてぇ」
 思いきり股を開いた敦子が、恥ずかしそうにおしりをモジモジさせてせがむ。もう、入れてもいいよね?
 振り返ると、先生が小さくうなずいた。
 コンドームをかぶせたチンチンに手を添えて、アソコに当ててグッと押すと、簡単にヌルッと入った。そのまま敦子の両脚を抱えて、根元まで目一杯突っ込む。
「んんっ! おちんちん、大っきい……。あつぅい……」
 僕のチンチンも、敦子の中で熱くてヌルヌルの肉にぴったり包まれてる。コンドームを着けても、じっとしてればいつもと全然変わらない。チンチンを入れたり出したりすると、ちょっと違和感があるけど。
 でも、敦子のアソコはやっぱり気持ちいい。キュッと締めつけて、ぬるぬるで、ぐねぐね動いて。
 先生はイスに座ってはいるけど、まるで僕と敦子のつながったところを見ようとでもするように身を乗り出してる。
「ん、うん、んッ!……あっ、は、あふ、うンッ……」
 リズムに乗って腰を振る。ぐちょぐちょ、というイヤラシイ音と、敦子のかわいい声と、僕の息遣いが、同じリズムの上に乗っている。敦子とひとつになってるんだ、と感じる。



保健室フェラチオ口内発射正常位バック中出し屋外
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件等とは関係ありません。


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