016:千穂子 〜快楽のトリコ〜
どうしよう……。
その言葉、ただその言葉が頭の中をぐるぐると回るだけ。
最初は、ただの痴漢だと思ったんです。学校に行くために仕方なく乗ってる朝の満員電車。今までだって、何度か痴漢された事はあります。
だから今日も、振り返ってにらみつけて、手を掴んで、ついでに足を踏んづけてやろうと思ったんです。
それなのに。
後ろから私の体をいやらしくなで回しているのは……、女の人なんです。見間違いかと思ったけど、見間違いようもない至近距離。
彼女は私に顔を見られても全く意に介する風でもなく、頬を紅潮させて切ない吐息をかすかに漏らしています。私の体に手を這わせるのをやめる様子はありません。
私は元通り前を向いて、黙ってうつむいてしまうしかありませんでした。
どうしよう……。女の人に痴漢されるなんて。
それだけでもうろたえるには十分なのに、さらに私を困惑させる事が起こりました。
彼女が私の手を取って、何かを握らせてきたんです。
それが一体何なのか、始めは見当もつきませんでした。細長い棒のようなもので、熱くて、変な言い方だけど固くて柔らかい。彼女は私の手に自分の手をかぶせて、前後に動かして「それ」をしごかせます。
もし男の人に同じことをされたらすぐに「それ」が何なのか分かったでしょうけど、その時の私の混乱した頭では無理でした。
私は首をひねって自分の背後、お尻のあたりを覗き込みました。握らされている「それ」は、彼女のたくし上げたスカートの中からニョキッと突き出しています。
ええ!? そんな……。うそっ……!!
信じられない事ですが……、それはどう見てもおちんちんでした!
どういうわけか彼女にはおちんちんがあって、私にそれを握らせているんです。
この人、実は男?
いや、でも、背中にぐいぐい押しつけられてるこの感触は、どう考えてもおっぱいだし……。
もうワケが分かりません。
落ち着け、落ち着け、落ち着け私!
まずは、状況の整理。事態を正確に把握しよう。そうしよう。ここは満員電車の中で、私は女の人に痴漢されていて、その人にはなぜかおちんちんがあって、今そのおちんちんを握らされていて……。
自分の置かれた状況を理解「してしまった」途端に、猛烈な恥ずかしさと、激しい興奮が襲ってきました。
私ったら、こんなにたくさん人がいるところで、固く勃起したおちんちんを握って、しごいてる……。
顔が、体が、かああっと熱くなります。あろうことか、パンツの中がじわっと湿ってきました。
痴漢されてるのに、感じて、濡らしてる……。
そう思うとますますおまんこが疼いて、どんどん溢れてパンツをヌルヌルにしてしまいます。
まるでそれを見透かしたように、彼女がいきなり私のパンツをずるっと下ろしました。そして体を密着させてきます。後ろから私の腰に手をかけてぐっと引き寄せ……。
何かが、私のおまんこに強く押しつけられています。それが彼女のおちんちんだと分かった瞬間、「それ」は私の中にぬるうっ、と入ってきました。
「ひッ……!!」
思わず声を漏らした私の口を、彼女が手で塞ぎます。
こんな……。こんな事って……。
スーツを着こなして、メガネかけてて、コロンのいい香りがして……。とってもキレイな女の人なのに、なんでおちんちんがついてるの!?
心の中で叫んだところで、彼女はやめてくれません。私のおまんこもぐっしょり濡れて、熱くて固くて太いものを根元まで受け入れてしまいました。
彼女が、腰を動かし始めました。おちんちんがずるり、と引いて、またぬるり、と入ってきます。始めはゆっくりと、そしてだんだん早く。
私と彼女は一つにつながりながら、電車の揺れとは別のリズムで一緒に体を揺らしていました。
体の内側をこすられるのって、気持ちいい、かも……。
そう思い始めた頃、彼女が私の耳元で「うッ!」と呻いてびくびくっと体をケイレンさせました。おまんこの中で、何か熱いものが弾けて広がるのを感じます。
何が起きたのかは分からないけど、「終わった」という事だけはおぼろげに感じました。
突然、目の前のドアが開きました。同時におちんちんがずるっと抜かれ、背中を軽く押されました。不意をつかれた私はよろけて前に二、三歩踏み出し、電車からホームに降りてしまいました。
背後でドアが閉まり、電車が出ていきます。ホームに取り残された私は、ヒザまでずり下ろされたままのパンツと、太腿を伝ってだらだら流れ落ちていく生温かい白濁液とを、ただ呆然と見下ろしていました。
駅からどこをどう歩いて帰ったのか、その間の記憶が全くありません。気が付くと、私は家の前に立っていました。
「千穂子、どうしたの?」
学校に行ったはずの娘が引き返してきて心配顔の母に、私は「電車の混み方がひどくて気分が悪くなった」と言うのが精一杯でした。もちろん本当の事なんて言えません。
「おちんちんのついてる女の人に痴漢されて、最後はレイプされた」なんて言えるわけが、ありません……。
二階の自分の部屋に上がって、パジャマに着替えてベッドに潜り込みました。実は朝からちょっと風邪気味だった、ということにしてそのまま一日寝てしまいました。
あのワケの分からない出来事の記憶、理不尽に処女を奪われたショックから逃れたかったのかも知れません。
翌朝、私はある違和感で目を覚ましました。
……足の間に、何か挟まってる? ううん、違う。パジャマの中、いや……。
パンツの中に、何かがある!?
がばっと身を起こして布団を蹴飛ばして、パジャマのズボンとパンツを一緒に脱ぎました。「それ」は、大きくぶるんと揺れながら姿を現わします。
まぎれもなく、おちんちんです。私のアソコに、おちんちんが生えているんです!
昨日握らされて、おまんこに入れられた、アレです。
なんで、こんなのが私に……?
思わず、ぎゅっと握ってしまいました。昨日握らされた時と同じ感触が手のひらに伝わってきます。あの時は後ろ手だったから全然見えなかったけど、今はなにしろ「自分の体」なんだからじっくり見ることができます。
ただ熱くて固柔らかい(?)だけじゃなくて、表面に皮がかぶっていてそれが中身とは別にくにゅくにゅ動いたり、強く握ると脈打ってるのが伝わってきて「あ、ここにも血が通ってるんだ」と分かったり……。最初のショックが過ぎると、だんだん興味が湧いてきます。
そして、昨日やらされたように手でしごくと気持ちいいことを発見してしまいました。手の動きを早くしていくと、先っちょからヌルヌルした透明な液が出てきました。
おちんちんも、気持ちいいと濡れるんだ。女の子とおんなじ……。ということは、もっともっといっぱいしたら、もっともっと気持ちいいことが待ってるのかな? 女の子のオナニーと同じように。
私の好奇心は、もう止まりません。気持ちいいところを探しながら、ぐいぐいしごき上げます。おちんちんは怖いぐらいに固く大きくなって、先っちょから溢れた液がくちょくちょとエッチな音を立てます。
「あ、はあッ、なに!? 何かくる、あッ出る、漏れちゃう、や……やああッ、うッ、くううッ!!」
我慢していたおしっこを一気に出す時の気持ちよさを一万倍にしたような、電気みたいなものすごい快感が腰の奥から走り抜けました。白いヌルヌルした液が、おちんちんの先からびゅっびゅっとすごい勢いで飛び出してシーツを汚してしまいました。
昨日、これがおまんこの中に出たのね。そうか、これが男の人の「射精」ってやつなんだ……。男の人ってこうやってオナニーしてるのね。すごい。おちんちんって、すごい。
ベッドにあおむけにブッ倒れて荒い息をつきながら、私は自分がこのおちんちんの「トリコ」になってしまった事を自覚しました。
その直後に母が私を起こしに来た時は焦りましたが、私が赤い顔をしているのを見て「熱があるの? もう一日休んだ方がいいわね」とナイスな勘違いをしてくれました。
その日は、もう夕方までオナニーしまくりました。おちんちんをしごきまくりました。射精しまくりました。時々様子を見に来る母の目を盗みながら。
昨日は全く理解できずただただ頭が真っ白になった「お姉さま」のあの行為も、少しずつだけど理解できるような気がしてきました。
だって、こんなに気持ちいいんだもん。びゅっびゅっと出す瞬間って、もうこのまま死んでもいいって思っちゃうほど気持ちいい。「お姉さま」が誘惑に勝てなかったのも、無理ないよ。
私はそこではた、と思い当たりました。
こうやって手でしごくのも気持ちいいけど、昨日のお姉さまみたいにおまんこの中に入れて動かして射精したら、もっと気持ちいいんだろうなあ……。おまんこの中って温かそうだし、柔らかそうだし……。
自分自身のとんでもない考えを、私は頭を振って追い払おうとしました。何考えてるの? 私女なのに、女の子を犯したい、だなんて……。
「千穂子ー、お友達が来たわよー」
今にして思えば、そこにかかった母の声は、私「たち」を巻き込んだ運命のとんでもない急展開を告げていたのです。
まずい。
「千穂子、具合どう?」
いまはダメ。来ないで、亮子。
「なんか顔赤いね。熱あるの?」
お願い、私に近付かないで!
「どれどれ」
亮子は私の眼前五センチまで迫ると、ひたいとひたいをコツンと合わせました。
「ん、ちょっと熱いね」
だめ……。亮子、かわいい。
亮子を、犯したい。
その瞬間、抑え切れないほどに熱く高まっていた私の欲望は爆発しました。
私は亮子をベッドに引きずり込んで上に覆いかぶさると、乱暴に唇を奪いました。
「むっ、んむ〜!?」
もちろん亮子は必死に抵抗します。でも、馬乗りになった私を跳ねのけることはできません。私は亮子の口内に舌をねじ込んで執拗に舐め回しながら片手で制服の胸を揉みしだき、もう片手はスカートの中に潜り込ませました。
私の「攻撃」の成果か、それとも単に疲れたのか、しばらくすると亮子は暴れなくなりました。私は亮子の唇を解放し、体を起こしました。
「なんで……? ひどいよ千穂子……」
亮子の目に浮かぶ涙にも、私の行動を止める力はありませんでした。
「ゴメンね。私、亮子が欲しいの」
熱くみなぎったものをズボンの中からぶるん、と取り出すと、亮子の目は驚愕と恐怖で見開かれました。体を固くすくませている亮子のパンツを脱がせて脚を大きく開かせ、私は一気に彼女を貫きました。
亮子のそこは意外なほどに潤っていて、さほどの抵抗もなく私のおちんちんを受け入れてくれました。
「んっ、んっ、は……んあッ、あっ」
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件等とは関係ありません。