二 疾走する匣(はこ)
いきなり、目の前に理英がいた。ドアのすぐ側にあるカメの水槽に手を突っ込んで、カメと(カメで、と言うべきか?)遊んでいる。
「うわ、びっくりしたー。ノックぐらいしてよ、操」
「えへへ」
いきなり電話で呼びつけておいて「ノックしてよ」もないもんだが。
「これは、誰?」
「これはチャーム」
六匹のミドリガメには『アップ』『ダウン』『トップ』『ボトム』『チャーム』『ストレンジ』と名前が付いているが、ちゃんと見分けられるのは理英だけだ。操はいつも感心してしまう。
この水槽を初めて見た時は、改造して殺人ガメでも作るのだろうかと勘繰ったが、どうやら純粋にペットとして可愛がっているようである。
そんな理英の様子を眺めていた操は、ふと何か変なものを感じた。
理英ちゃん、なんかいつもと違う……。
具体的にどこがどう違うのかうまく説明はできないが、確かに何かが違う。いつもは感じない違和感がある。
容姿や服装が違うわけではない。ネズミ色のツナギの上に白衣といういつものスタイルである。こうなると、ほとんど間違い探しである。理英は、ニヤニヤしながら黙って立っている。してみると、「違和感」の原因を知っているらしい。
頭のてっぺんからつまさきまでじろじろと眺め回すうちに、操はなぜか胸が高鳴ってくるのを感じた。そう、まるでカッコいい男の子を、淡い憧れを込めた視線で遠くからそっと見る時のように。
理英ちゃん、なんかカッコいい……。
しかし、その印象がどこから来るのか結局分からない。
「理英ちゃん、えっと……。理英ちゃんだよね?」
なんだかよく分からない間抜けなセリフが出てしまった。理英がぷっと吹き出した。
「ヒントちょうだい、ヒント」
「いいよ」
理英はドアに鍵を掛けた。そして操の前で白衣をばさあっと脱ぎ捨て、ツナギのファスナーを下ろすと遠山の金さんのようにがばっとモロ肌脱ぎになった。
理英はブラジャーを着けていなかった。それもそのはず、操より小ぶりとはいえ確かにあったはずの胸の膨らみが、ない。完全にぺったんこである。関東平野である。男の子と見まごうばかりの真っ平らぶりである。
操は目を丸くした。思わず手を伸ばしてぺたぺたと触ってしまった。確かに、ない。
「ど……どーしちゃったの、これ? ただでさえ小っちゃいのに」
「ただでさえ、は余計!」
一応、気にはしているらしい。
ファスナーを完全に下ろしてツナギも脱ぎ捨てると、その下からもっと驚くべきものが現れた。下着である。男もののぱんつである。社会の窓(最近聞かないな、この言葉も)がちゃんとある。それも脱ぐと、まごうかたなき男の子のシンボル、オチンチンが現れた!(なぜかドラクエ風)
これは環境ホルモンの影響で貝のメスがオス化、などというレベルではない。どこからどう見ても完全に男の子の体になってしまっている。
操はというと、もはや目を丸くするなどという生易しいものではなく、それこそ目ン玉が落っこちそうになっている。口をぱくぱくさせているが言葉が出てこない。
「ちょっとした実験よ。薬の実験」
全裸の理英が、ベッドのへりに腰掛けた。
「メタモXY。二本ある性染色体のうち一本をY染色体に……。まあ要するに、女を男に変身させる薬よ。ただ……」
理英は、そこで言葉を切った。
「ただ……?」
「その作用は一時的なもの……のハズだったんだけど、なぜか元に戻んないんだわ、これが。いやーまいったまいった」
理英はかんらからからと笑った。
「戻らないって、そんな……。ずっとこのままなの?」
「もちろんいろいろ試してはいるけど、ヘタすると一生このまま、っていう可能性もあるわね」
ふっ、オレも焼きが回ったもんだぜ……という顔で理英は寂しく笑った。
「一生このまま……」
先刻からずっと突っ立ったままの操が、呆然とした口調で言った。
「まあ、あくまでも最悪の場合ってことよ」
操には聞こえていない。
十秒経過。
操は何事か決意した顔でベッドの側に来ると、理英の隣に腰を下ろした。
「理英ちゃん、わたし……、わたし……」
操は理英の手を取って、言った。
「理英ちゃんのお嫁さんになってあげる!」
お嫁さん!
お嫁さん!
お嫁さんさんさんさん……。(残響音)
理英ちゃんのお嫁さん。お・よ・め・さ・ん。なんという甘美な響き!
理英の頭の中では、「お嫁さん」の一語によってむくむくと喚起された様々な感情や妄想が渦巻き、相互に増幅し合ってハレーションを起こしていた。
要するに、トリップしていた。
一分経過。
「理英ちゃん! 理英ちゃん!!」
肩をがくがくと揺さぶられて、理英ははっと我に返った。操の手をがしいっ! と掴み
「じゃあ、今すぐお嫁さんになって」
目が血走っている。さっきまでちんまりとしていた股間のものが、いつの間にやら天を衝く勢いで屹立している。
ちょっとビビってしまった操だったが、こっくりと頷いた。顔が赤い。猛々しくそそり立った肉茎を見せつけられ、理英の言う「お嫁さん」の意味が一発で分かってしまったからだ。
操も服を脱いで、一糸纏わぬ裸になった。ベッドに腰掛けている理英の前にぺたりと座り、脈打つ男根を愛撫する。熱く固いそれは、完璧な「男」そのものだった。
ただ……。
「毛が生えてない……。トモくんは生えてたのに」
「だってあたし、男になる前から生えてなかったもん。十歳じゃまだ生えないよ、普通。操だって生えてないじゃない」
確かにそうだ。そう言われると、手の中のものも、トモより小さいような気がする。
操が小さな両手で愛おしげに握りしめて、きゅっきゅっとしごく。白く細い指が固い男根に絡みつく様は妙にエロティックで、劣情をそそり立てずにはおかない。
舐めて、と理英が言おうとした刹那、操は自分から舌を伸ばしてきた。先端をちろちろと舐め、吸った。理英が呻いた。
操は、小さな紅い唇の間に肉茎を吸い込み舌を絡めてきた。いやらしい顔してる、と理英は見下ろしながら思った。
「操ってさ、オチンチン舐めるの好きなんでしょ。あたしのオチンチン、おいしい?」
「やあん、そんなこと聞かないで……」
小さくいやいやをしながら、それでも操は口淫をやめない。
「こないだ、あんなことになったのだって操のせいだよ」
「私のせい……?」
「まさかオチンチン口に入れちゃうとは思わなかったもん。操のエッチ」
「理英ちゃんだって、してたじゃない」
「最初にしたのは操。操がすっごくうっとりした顔でおしゃぶりするから、あたしまで変になっちゃったんだよ。ファーストキスまで奪われちゃったし」
「キスしてきたの、理英ちゃんの方……」
抗議の言葉は途中で封じられた。理英が操の頭を押さえ込んで、口に無理矢理肉茎を突っ込んだからだ。
「トモくんの精液、喜んでぺろぺろ舐めてさ、まるで犬か猫みたい。あたしのおっぱいとアソコまで触るし、いじくり回すし、舐めるし。ほんっと、操があんなエッチな子だなんて知らなかったよ」
自分がした事は完全に棚に上げて、操を言葉で嬲る。口の中を肉茎で掻き回されている操がくぐもった抗議の呻きを洩らすが、言葉にならない。
「オチンチン入れられてうれしそーな顔しながらあたしのアソコべろんべろん舐めてさ。すっごいスケベだよね、操って」
理英の声が上ずってきた。自分の言葉に酔ってきたのか、ますます乱暴に操の唇を犯す。
「あっ、なんか変……。なんか、来る。洩れちゃうよぉ……」
操の口にずぼずぼと出し入れしながら、理英が泣きそうな声で訴える。
「洩れちゃうっ……。飲んで、操! くうッ」
理英が甲高い声で鳴いた。両手で操の頭をしっかりと押さえつけ、腰をがくがくさせながら操の口内に射精する。どくどくと流れ込んでくる熱い粘液を、操は喉を鳴らして飲み込んでゆく。
「すごい……。これが、男の子……」
体液を絞り尽くした理英が、息も絶え絶えに言った。ようやく解放された操も大きな息をついた。表情がどこか虚ろだ。
理英の肉茎には白濁液がまとわりつき、操の唇から糸を引いている。
「あたしの、おいしかった?」
操が、まるで催眠術にでもかかったような表情のままこっくりと頷いた。
「オチンチン、きれいにしてよ。操のも舐めてあげるから」
ベッドに仰向けになり、操を逆さまに跨がらせる。天井を向いてそそり立つ砲身に吸い寄せられるように、操が舌を絡めてくる。
理英の目の前に操の幼い陰裂があった。淡い茂みすらもないなだらかな下腹、つんと尖った小さなクリトリス、鮮やかなピンク色の秘唇。その未成熟な陰裂が、淫らな蜜で溢れかえっている。とろとろした愛液が太腿の内側にまで流れ出している。
「オチンチン舐めてこんなになるの? インランだね、操って」
翌朝。
「ごちそうさまー」
家族と朝食を取った操は食器を片付けると、すぐさま二階の自室へ上がった。
衣装ケースを引っ掻き回して何着か取り出し、あれでもない、これでもないと吟味している。まるでこれからデートにでも出掛けるように。
いや、「まるで」ではなく本当にデートなのである。実は、昨日のいささか激しすぎるスキンシップの後、なんと理英にデートに誘われて(!)しまったのだ。
結局、上は奇をてらわずに普通の赤系のロゴ入りTシャツ、下はしばし迷った末、とっておきのピンクのミニスカートを履くことにした。母親と一緒に出かけたバーゲン会場で見かけた瞬間「かわいいっ★」と速攻ゲットした獲物だが、丈が膝上十五センチ、ミニスカ指数九十、必殺度三百というかなり大胆な代物なのでなかなか履けなくて、タンスの肥やしになっていたのである。(注 ミニスカ指数七十以上では一部の人が、七十五以上では半数が、八十以上では全員が「ミニスカだ」と感じる)
鏡の前に立って、横を向いたり後ろを向いたりあれこれとポーズを取りながら鏡の中の自分を覗き込む。
うん、かわいいっ! 自分で言うのもなんだけど、バッチリかわいい!
自然と顔がほころんでしまう。ニッコリ笑ってしなを作ってみる。
実際、鏡の中の操は可愛らしかった。やはり恋する少女はキレイに見える。相手が相手だけに、これを「恋」と呼んでいいのか甚だ疑問ではあるが。
ショルダーバッグを肩に掛けると、操はこれ以上ないほど軽い足取りで階段を駆け降り
「いってきま〜す」
毎日通学の足に使っている自転車で飛び出していった。
吉川家の人々は、顔を見合わせた。
「デートかしら」母が言った。
「デートかな」父が言った。
「デートじゃないの」兄が言った。
やがてホームに入ってきた八両編成の普通列車を見て、操はちょっとがっかりした。やっぱり座れそうにない。多分座れないだろうとは思っていたが。
その同じ列車を見る理英の口許に笑みが浮かんだ。「ニヤリング」とでも形容すべき邪悪な嗤いだ。
ドアが開いた。降りる乗客はほとんどなく、二人はどどっという感じで車内に押し込まれる。反対側のドアまで流され、ほとんどドアにへばりついている格好の操。その背後にぴったりくっついて理英が立つ。
突然、操の体が大きく横に振られた。操だけではない。運転士がヘタなのか車両がボロなのか、スシ詰めの車内で立っている乗客の大半が発車のショックでバランスを崩した。倒れそうになる操の両肩を誰かの手が掴んで支えた。
理英だった。実験のジャマになるからと神経質なまでに短く切られた爪。手の甲には微かだが火傷の跡も残っている。元から女の子らしさというものと無縁だったその手は、魔法の薬で力強く大きな男の手になって操の肩を支えている。
その大きさ、力強さに操は異性を感じ、淡いときめきを覚えた。
……が、あまりときめいてばかりもいられない事態が起こった。
両肩に置かれた理英の手が、肩の線に沿ってするすると下りてきた。左手がさっと伸びて、あっという間に操の両手を押さえ込んでしまう。
「理於く……」
右手の人差し指が操の唇を封じた。指先が唇から白い頤へ、喉へ、そして鎖骨の窪みへと下りていく。操は動けない。
いきなり、理英の手が胸の膨らみを押さえ付けた。その柔らかさを確かめるように、ゆっくりと、卑猥な動きで揉みしだく。それでも操は動けない。声も出ない。後ろから抱きすくめられたまま、理英の手の動きに身を固くしている。
救いを求めて、目だけで左右を見回す。二人に背を向けて立っている者。文庫本を読むのに忙しい者。吊り革にぶら下がって中吊り広告を眺めている者。誰も気付いていない。誰も助けてくれない。
操は、理英が特急ではなく普通列車を選んだ理由をしみじみと納得してしまった。
理英の右手は、ますます大胆に蠢いた。左右の膨らみを包み込むようにして交互に愛撫する。執拗に加えられる刺激に耐えかねて、丘の頂が尖ってきた。理英の指が、シャツとブラジャーの上から強引につまむ。つまんで、ひねくり回す。操の頬が微かに紅い。呼吸が少し早くなってきた。
不意に、ずっと押さえつけられていた操の両手が解放された。胸の膨らみをまさぐっていた理英の右手も撤退した。操がほっとした瞬間、今度はスカートが捲り上げられる。理英の右手がスカートの中ですっ、すっ、と二回動いた。もう一方の手が下着をつまんで引っ張ると、一体どんな魔法を使ったのか、白い布切れはスカートの中からするすると引き出されてしまう。
うそっ、なんで!? どうなってるの!?
何が起きたのか、操には分からない。立ったまま、下着だけを脱がされてしまった。スカートの裏地がお尻に直に触れる感触がくすぐったい。
操が呆然としている間に、理英の魔手第二弾がよーしゃなく襲ってきた。大胆にもシャツの裾から手を突っ込んでくる。その指に何か赤いものがちらりと見えた。見覚えのある道具だった。
理英が使っているのはバンドカッターだ。よく家電製品などの大きな段ボール箱にプラスチックのバンドが掛けてあるが、それを切るのに使う道具だ。中指か人差し指にはめて使う。溝の内側に刃が付いていて、そこにバンドを引っ掛けて持ち上げるようにして切る。色はなぜか赤が多い。
操は、理英が研究室でそれを使っているのを見たことがあった。世の中には便利な道具があるものだと感心した覚えがある。
確かに、便利な道具だ。
操が感心……というより呆れている間にストラップレスのブラジャーが真ん中で切られ、シャツの裾からずるずると引きずり出されてしまった。
操は、まるで裸にされたような心細さを感じる。シャツの上からでも、乳首が立っているのがハッキリ分かってしまう。可愛らしいピンクのミニスカートの中からは、お尻どころか大事なトコロまで見えてしまいそうに思えて、体がカッと熱くなる。
障害物を排除した理英が、再び侵攻を開始した。左手がシャツの裾から潜り込み、胸の隆起に直に触れてくる。掌の感触がひどく熱く感じられる。
右手はスカートの中に潜り込み、今や外気に晒されている秘裂を指先でなぞる。媚肉の合わせ目を往復しながら徐々に沈み込ませてゆく。中指を浅く差し込んでくるくると動かしながら、人差し指で秘芯を転がす。透明な蜜がとろとろと溢れ出すのに時間はかからなかった。
操は必死に息を殺した。敏感な肉芽を擦られるたびに肩がぴくり、と震える。声が洩れそうになる。息遣いが熱く弾む。
列車が日立駅のホームに滑り込む。ドアが開くと、けっこうな数の人間がホームに吐き出された。もちろんその中に理英と操もいる。
他人がいっぱい詰まった二人きりの密室から解放された操は、早くも疲れたような顔をしている。
「早く行こうよぉ」
イスに座り込んでいる操の手を理英が引っ張る。ハッキリ言ってもう帰りたい気分になりかけている操ではあったが、こんな遠くまで来ておいて何もしないで帰ったらアホみたいである。理英の下心には注意が必要だが、とにかく今日一日だけは付き合ってやろう、とようやく覚悟を決めて、操は立ち上がった。
「早く、早くぅ」
操の手をしっかりと握ったまま理英が走り出した。操も仕方なく走り出す。空いている方の手でミニスカートの裾をしっかり押さえながら。腿の間を抜ける風が、下着を着けていないことを改めて強烈に意識させる。顔がどうしても俯き加減になってしまう。
傍目には、初めてのデートに思い切って大胆なミニスカートを履いてきた女の子が元気な男の子に振り回されてちょっと困っている、としか見えないだろう。微笑ましい光景である。
操のスカートの中の事情さえ知らなければ、の話だが。
満員電車とは、無関心と事なかれ主義で満たされた「無人空間」である。
――往路の車内で知ったこのことを、操はいま改めて認識していた。ドアの前で立ったまま恥態を繰り広げる二人に、誰一人として気付いていない。
来る時の列車と全く同じ状況で、理英は操の体をまさぐっている。左手で胸のなだらかな丘を、右手で太腿の間の可憐な花園を踏み荒らしている。指を二本咥え込まされた秘肉から淫蜜が溢れ出している。
操は、ふと視線を感じた。
視線の主はすぐに分かった。二人の目の前、乗降口のすぐ側のシートに座っている中学生と思しき年頃の少女だ。少女は文庫本を読んでいた。いや、読んでいるフリをしながら、ちらちらと二人の方を見ていた。理英の痴漢行為に気付いてしまい、読書どころではなくなってしまったのだ。操と目が合いそうになると慌てて顔を伏せるが、操の視線が離れるとまた文庫本で顔を隠すようにしながら二人の方をうかがう。
見られてる……!
恐怖と羞恥とが、背筋を駆け上がった。
理英は文庫本の少女に気付いていないのか、それとも気付いていてワザとやっているのか、ますます大胆な振る舞いに出る。シャツの上から胸の膨らみを撫で回していた左手を裾から潜らせて、固く尖った乳首を直接弄ぶ。
見られている。視姦されている。少女の視線が、くすぐられるような皮膚感覚を操の敏感な体に呼び起こす。声が洩れそうになり、強く握りしめた手の甲に顔を押し付けてこらえた。
やっぱり、特急にしとけばよかった……。
つい「各駅」と答えてしまった自分の弱さが情けない。期待通りの答えに満足げだった理英の顔と、熱い囁きが脳裏に蘇った。
帰りはもっとすごいことしてあげる。
「もっとすごいこと」って何だろう? もっとすごい……これよりすごいこと?
シャツの中でもぞもぞと蠢いていた理英の左手が、するすると下りてきてミニスカートのウエストの位置で止まった。理英は媚肉に右手の指を突っ込んだまま、両手で操の腰を引きつけた。操はドアにすがりつくようにして上半身を預けているから、後ろに向かって腰を少し突き出した格好になった。
スカートの中に何かが侵入してきた。剥き出しのつるりとした尻肉に、熱く、固く、そしてぬるぬるした感触。先触れの透明な滴をたらたらと溢れさせている肉の穂先が、操の白い柔肌に押し付けられている。
まさか……。それだけはやめてっ……!
この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件等とは関係ありません。