「Lhasa」と「+Lhaca」について

 無料かつ手軽に使えるWindows用の解凍ツールとしては、「Lhasa」が有名です。
 ハッキリ言って、「+Lhaca」(らか)よりも「Lhasa」(らさ)の方が知名度では上です。
 そもそも「+Lhaca」という名前は、製作者が「Lhasaの後継ツールと呼ばれるほどのソフトにしたい」という願いを込めたところに由来するのだそうです。
 「解凍ツールといえばLhasa」という評価はもはや不動のもの、と言っていいでしょう。

 ですが、あえて言います。
 解凍ツールをまだ一つも持っていない初心者が導入するなら「+Lhaca」にしておいた方がいい。
 「Lhasa」はパソコン初心者にはお薦めできません。

 配布ファイルにインストーラが組み込んであるからダウンロード完了後ダブルクリックするだけで自動でインストール・ショートカットアイコンの作成が行われるし、機能はLHAまたはZipファイルの解凍のみという必要最小限のものに絞り込まれている。確かに優れています。プログラム本体は。
 ですが、ソフトウェアというのはプログラム本体だけで成り立っているわけではありません。本体に添付されて一緒に配布されるドキュメントファイル(説明書)、さらにはユーザーの疑問・質問にある程度答えるサポート体制(配布元サイトのサポート掲示板など)、そこまでひっくるめて「ソフトウェア」だと思います。
 Lhasaは、プログラム本体以外の部分が極めて不親切です。

 致命的なのは、一見しただけでは付属テキストがどこにあるのか分からないことです。ソフトを起動しても「ヘルプ」ボタンもない。
 さらに、配布元サイトの質問掲示板が初心者に対して異常に冷たい。「付属テキストを見ろ」「少しは自分で調べろ」「その質問はLhasaと関係ない」、こればっか。その付属テキストがどこにあるのか分からない(そもそも付属テキストの存在すら知らない)初心者が聞いてるのにさ。
 アンインストールの方法が分からずかなり粘り強く質問していた相手を冷たくあしらい続けて、とうとう「こんなワケの分からないものをダウンロードした私がバカでした。もう諦めます」とまで言わせる始末。

 これ以上被害者を増やしたくないので、Lhasa配布元のアドレスはここには書きません。知りたい人は自分で調べて下さい。そこまでしてあのサイトに行く価値はないと思うけど。

 以上、Lhasaをお薦めしない理由でした。続いて、+Lhacaをお薦めする理由。

 +Lhacaは「Lhasaの後継」を目指して作られたツールです。だから当然、Lhasaのシンプルな操作法とインターフェースを受け継いでいます。その上、上級者向けの機能もちゃんと盛り込まれています。Lhasaは解凍専用ですが+Lhacaは圧縮も可能で、LHA・Zip以外にもいくつかの圧縮形式に対応しています。Windowsユーザーならこれ一つ持ってりゃ十年は戦えるのではないかと。
 もちろん、Lhasaと違ってボタン一発でヘルプが開く親切設計です。ってゆーかそれが当たり前だろ。

 そしてもう一つ、パスワード付きZipの問題があります。
 Zipでは通常の圧縮形式の他に、パスワードでロックして圧縮することもできます。圧縮時に設定したパスワードを入れないと解凍できないわけです。使いようによっては大変便利な機能なのですが、どうも解凍・圧縮ツールの間に相性のよしあしがあるようで、同じZip形式でありながら圧縮時と解凍時で違うツールを使うとうまく解凍できないことがあるという例が知られています。現にLhasaも、ある特定のツールで圧縮されたパスワード付きZipだけなぜか解凍できない、という不具合を抱えています。

 小説のダウンロード販売ですが、今のところは販売代行サイトに委託していますがゆくゆくはこのサイトでの直売と併用する形に持っていくつもりです。その時にパスワード付きZip形式を使う予定なので、読者のみなさんには当方が圧縮に使うのと同じ+Lhacaで解凍してもらえば不具合も起きにくいだろう、というわけです。


戻る