イベントアフターレポート(2003年)


12月30日 コミックマーケット65
11月16日 コミティア66
9月23日 サンシャインクリエイション21
9月7日 紺色の天使達
8月17日 コミックマーケット64
5月5日 コミティア64
4月13日 ぶんぶん!7
2月23日 コミティア63



12/30(火) コミックマーケット65(東京ビッグサイト) 公式HP

 今回のレポートで特筆すべきは「労力の無駄が非常に少なかった」、これにつきますな。夏は「製本作業にどこまでの労力・時間を割くべきか?」の見極めで大失敗ぶっこいて、べっこり凹みましたからねえ。
 でも別に意図してやったわけではなく、結果としてうまくいっただけなんですけどね。まさに文字通りの「結果オーライ」。事前に製本を済ませる時間的余裕がなく現地製本になったせいで売れ行きを見ながら製本することができ、売れ残りになる分まで製本してしまう無駄が発生しなかった。事前にカタログを十分チェックする時間及び当日の財布の中身(笑)に非常に余裕がなかったためほとんど買い回りをせず、回り切れないほどたくさんのサークルにチェックを入れてしまう無駄が発生しなかった。
 どちらも意図しなかった偶然の産物であり、「これ以外の結果はない」という必然でもありました。要するに、準備のための時間が全然取れなかったんだよ!

 有明の地にたどり着いた頃は、正直かなりへろへろでした。しかし不思議なもので、ビッグサイトに入ると頭がさっぱり眠気スキリー! これは陸奥圓明流の使い手の言うところの「戦場に立てば、体は動く。体が動くってことは、戦えるってことだよ……」というやつか? はたまたあの巨大逆ピラミッドから人知を超えたいかがわしいパワーが放射されてでもいるのでしょうか(笑)。
 もちろん製本が終わってないという状況には変わりないのですが、ここまで来て焦ってジタバタしても始まらない。落ちついて、できる事を着実にこなしていくしかない。もはや諦めの境地。というかこれ客観的には「開き直り」と言うのでわ。(カタログチェックはこの時点で既に諦めてます)
 なんと「製本実演販売」をウリにしてしまう開き直りっぷり。いっそ老獪とすら言っていいほどですな(笑)。

 午前10時、開会。危惧していた寒さは、さほどでもない。開会時点でこれなら問題ない。あとは人暖房がどんどん入ってくることだし(笑)。
 ウチはどーせ30分(ヘタすりゃ1時間)ぐらいは誰も買いに来ないんだから、今のうちに製本しちまえ! 慌てず、でもできる限りのスピードで折って、綴じて、貼る!
 10時半を過ぎた辺りからぽつぽつとお客さんが来始めて……あ、あれ? 製本が追っつかない? ぬおっ、Volume05がなくなるっ! Volume10を後回しにしてこっちを先に製本しないと! うわ、06と07もなくなるッ!……てな具合で、事前の予想より売れ方が早くてちょっと焦りました。瞬間的な「品切れ」が断続的に発生。読みが甘かったです。
 そうこうしているうちに昼過ぎには持ち込み分製本完了、1時には棚の上がほぼすっからかんになりました。ありがたや。しかしここから急激に客足が失速。結果から言うと、この後閉会まではほとんど売れませんでした。やっぱ、売り物がほとんどなくなったスペースには(よほどの人気サークルでもない限りは)人が寄りつかなくなる。すると「人が人を呼ぶ効果」の恩恵に預かれなくなるのです。
 早々に完全完売してしまって「もっと作れば良かった!」と歯軋りしたわけでもないし、夏みたいに必死こいて製本したのにどっさり売れ残ってブルーになったわけでもない。数だけ見ればちょうどうまくいったように見えますが、もっと作ればもっと売れた可能性が高い(今回はこれが限度だったからしょうがないけど)。「ちょうどぴったり」ではイカンのですよ。売り物というのは常時ある程度積み上げておかないと見栄えが悪い。そういや、昔知人のスペースで売り子やってた時、残部僅少になった本の下に別の本を入れて「上げ底」にしてたしな。
 いくら作っても完売してしまう人気サークルでもない限りは、持ち込み部数は「売れそうな数」より少し多めにした方がいいんだよな、やっぱ。でも作りすぎてどっさり売れ残って「こんなに製本してるヒマがあったら原稿やりゃ良かったムッキー!」になるのもシャクだしなあ。中途半端に売れるようになってきたコピー本サークルのジレンマ。この辺の兼ね合いが今後の課題か。

 実は今回最大の失敗は、現地製本になだれこんだ事ではなくて、ペーパーを作れなかった事だったのです。
 私を訪ねてきてくれた人が何人かいらっしゃったのですが、「次のイベントは何に出ますか?」と聞かれていつものように「えーと、これですね」とペーパーを……渡そうとして「あ、今日はペーパーないんだった。てへ(はぁと)」。
 そこで初めて気付いて愕然。ペーパーがないってことは、本を買ってくれた人に次回参加イベントを告知できないってことじゃないか! 今の今まで全く気付きませんでした(大馬鹿)。
 急遽スペースに手書きで表示することも考えたんですが、やめました。ただでさえ字が汚い(というか下手)のに当日会場の慌しい雰囲気の中で手書きでPOPなんか作っても、もう見たくもないようなシロモノしかできないのですよ。スペースのディスプレイには事前にパソコンで作って打ち出したものしか使わない、という原則を貫きました。あと、単にめんどくさかった(爆)。
 というわけで、次回参加イベントは2月のコミティアです。さすがに今度こそ敦子シリーズの最新刊を出したいですよ。


11/16(日) コミティア66(東京ビッグサイト) 公式HP

 どうなることかと気を揉んでいた雨も夜明け前にはすっかり上がり、気温もこの季節にしては高めで、地面が濡れていることを除けば絶好のイベント日和になりました!
 お日柄は大変よろしいのですが、問題は新刊がないこと。お客さん来るんかなあ。

 見事に不安的中してしまいますた。
 コミティアにおいて新刊がないということは、見本誌コーナーに本を置けないということ。「小分けさん」シリーズは変形本なので見本誌コーナーでけっこう目立ちます。この顧客吸引力は侮れないものがある。今回はそれなしで勝負しないといけません。不利な戦いになることは分かっていましたが、これほどとは……。
 開会から1時間の間、1冊も売れませんでした(爆)。
 これじゃ交通費も出ないんじゃないか、いやこのまま1冊も売れずに終わるのでは……という恐ろしい想像に取り憑かれ始めた頃、ようやく最初のお客さん。まとめて7冊お買い上げ。ふうやれやれ、これで交通費分ぐらいは稼いだな。

 今回の売れ方のパターンはかなり独特でした。お客さんの数はえらい少なかったです。新刊ないんじゃ当然です。その代わり4〜5冊以上のまとめ買いが多かった。ちょっと専門的に言うと「客単価が高かった」ということです。お客さんは少ないけど、その少ない客を逃すと損失が大きいということ。その上、どういうわけか時間を追うごとにじりじりと来客頻度が上がっていくのです。開会直後の閑古鳥大合唱状態の分を取り戻すかのように。
 そんな状態だったので、お客さんを逃すのが怖くて全然外出できませんでした(泣)。「スクール水着のひみちゅ4」をまた買いそびれてしまった……。_| ̄|○
 同じブロックだったのに……。_| ̄|○

 終わってみれば、開会直後の売れ行き不振がウソのような好成績。新刊なしでこれだけ売れりゃ大善戦。「バックナンバー売り切りキャンペーン」も大成功。小分けさん01・02・03・E1・E2の在庫がなくなりました。これで在庫管理が楽になる〜!
 まとめ買いの人が多かったのは、事前に当サイトを見てから来てくれたってことなんでしょうか? だとすれば当サイトの訪問者数をどっと増やしてくれた「正しいH小説の薦め」さんには足を向けて寝られませんなあ。

 とりあえず、コミティアでは新刊(見本誌)がないとかなり辛いという事がよーく分かりました。でも見本誌として提出するのはコミティア合わせの文字通りの「新刊」だけじゃなくて、他のイベントではもう売ったけどコミティアでは売るのが初めて、という本も対象なんですよね。それすらもなかったというのが今回の一番の問題。もう半年も新刊出してないからなあ。海より深く反省。


9/23(火/祝) サンシャインクリエイション21(池袋サンシャインシティ) 公式HP

 カタログ読んでブッとびましたよわたしゃ。サリーナが臨月ぅぅぅ!? しばらくサンクリに来てない間に一体何があったんだ……。なんか、ものすごーく世の中の流れに取り残された浦島太郎な気分。

 例によって「ご自分のスペースにお戻りくださーい」の怒号と殺気の飛び交う中、開場。たちまち外周に発生する大行列。どーせオレっちには関係ないことでござんす。見ない見えない気にしない。マイペースマイペース。
 この分だとまたすぐに暑くなって蒸し風呂だなあ、と覚悟したのですが……暑くならない。会場内が快適! 涼しいよ! サンクリなのに! ありえない! 信じられない!(そこまで言うか) 打ち上げで入った居酒屋の店内の方が暑かったぞ。もしかして、人が少なかったのかな?
 朝に会場入りした直後は大荷物引っ張って急いで歩いてきて軽く汗ばんでいたのでTシャツ一枚になってました。その後少し肌寒く感じて、脱いでいた上着を着ました。更にその上から「制服」の赤いエプロンを着けました。そしてその都度、ワッペンになっているサークル通行証を新しく貼りました。つまり、Tシャツ・上着・エプロンと通行証を一人で3枚使いました(笑)。うーん贅沢。
 肝心の売れ行きの方はまぁ、ほどほど(笑)。新刊がない割には善戦したと思う。「敦子シリーズ強化キャンペーン」は成功と見ていいかな。「01:敦子」「03:敦子II」を買ってくれた人が割といました。やっぱシリーズものは全部揃えておかないとイカンな、と改めて痛感。

 そういや、抽選倍率改善のためサークルを無理に詰め込んで通路が狭くなっていたエリア、結局見に行けなかった。サークルに送られてきた参加案内の配置図だと通路がすさまじく狭く、というか通路がほとんどないように見えたけど、バックスペースの調整で実際はそこまでひどくはなかったらしい。でも狭かったのは間違いないだろう。見てみたかったなー。正直、そこまでしてこの狭い会場にしがみつかなきゃいかんのかな、と思う。確かに交通の便も、買い物の便も、終わった後の打ち上げの便もいいけどさ(笑)。


9/7(日) スクール水着ONLY同人誌即売会「紺色の天使達」(都立産業貿易センター4F) 公式HP

 どうやら、このイベントをなめてかかっていたようです。事態は私の予想をはるかに超えてヒートアップしていました。
 会場の都産貿に到着……する前に私の視界に入ったものは、会場手前の交差点まで伸びた一般行列。今日は7つもの同人誌イベントが同時多発で行われることは知っていたので「こりゃ『マリみて』イベントの列だろ、どーせ」と思ったら、なんとそれが「紺天」の列だったのです! ひえっ、どすん!
 訝しく思いながらも、いつも通り(笑)あわただしくお店のセッティング。そしてこれまたいつも通り、完了しないうちに開会(笑)。
 ごわっ、肉雪崩流入&瞬時に大行列発生! ありゃ一体どこのサークルだ、とカタログを開くとそこには、「買い」にすっかり情熱を失ってしまったオレですら名前を知ってる大手サークルが。「あのサークルが、スク水で……。そうか、そういうことかリリン」。都産貿1フロアの1/4、72スペースというイベントの規模に対して異常なまでに長い一般行列の謎が解けましたよ。あのサークルがスク水ひっさげて乗り込んできたら、このぐらいの混乱は当然。
 ……と思ったのですが、混乱は最小限に留められていました。混雑対応スタッフの手際のいいこと。行列ができるサークルはいくつかあったのですが、販売の準備ができていない(つまり、スペース内でコピー本を製本している)サークルに群がるフライング野郎どもを散らし、長く伸びた行列は切り分けて通路を確保しつつ的確に誘導。ダマの発生と霧散、行列の発生と秩序化が幾度となく繰り返されました。こんな小規模イベントにこれだけの人数が押しかけているのに、さほどの混乱は起きていない。紺天スタッフ恐るべし! とびきりの腕っこき、行列整理のプロフェッショナルを集めたのかなあ? まさに「獅子奮迅」という形容がぴったりはまる活躍ぶりでした。
 それだけの人が押しかければ、そのうち何%かの人がウチに興味を持つこともあるわけで。大手さんが人を集めてくれたおかげでおこぼれに預かることができた、という面は否めない。新刊なかったのにそこそこの売り上げあったもんなあ。ブロックノートが回ってきたので、コバンザメの絵を描いておきました(笑)。
 そんな人口動態を反映して、場内の気温は開始直後30分間はじりじり上昇しましたが、その後は下降してかなり涼しかった。もんどり小屋は冷房直撃の場所だったので特に。ユニフォームの赤いエプロンを着けていても「いささか涼しすぎにて候」と感じるほどでした。へーちょ。
 そんな涼しさの中、スク水コスプレ女性がいました! 参加案内には確かに「コスプレ可」と書いてはあったけど、する人なんているのかよ……と思ってました。彼女の勇気に乾杯。ただ、彼女は小柄ではあったけど、いわゆる「幼児体型」ではなかった。やはり成人女性にスクール水着はミスマッチだ、との思いを深くしました。「最近の女子高生は発育が良すぎて、スクール水着を着るとかえって卑猥で似合わない」とこぼす体育教師の話をどっかのサイトで読んだけど、やっぱスク水は未発達な肢体にこそマッチするのだ、と思いました。
 隣の「めがねっこフェスティバル」には結局お邪魔できず。急に涼しくなったせいで体調崩して、まぁ平たく言えば寝冷えして調子が悪かったので、即売会終了後はジャンケン大会を待たずして速攻帰りました。会場内もほとんど回ってないので、本当に本を売りにだけ行ったような感じ。見向きもされないんじゃないかと危惧していた「小分けさん10:征輝・征美」は、おかげさまでそこそこ売れました。
 当日の賑わいぶりは、準備会公式HPの掲示板からもうかがえます。

 同人誌即売会には、それを構成する大きな二つの要素があると思います。
 一つは「空気」。もう一つは「本」。
 今回、「空気」の方は十分に、というか必要以上に盛り上がっていました。その点では大成功。
 一方、「本」の方はどうだったか?
 引き上げる前にざっと見て回っただけなので甚だ不十分なリサーチですが、スク水を着たままえっちするエロ同人か、既成のキャラにスク水着せただけみたいな本か、そんなんばっかという印象でした。もちろんオレも前者に属するので人のことは言えませんが(笑)。
 作品としては、相当に層が薄い。それは、たとえば「メイドさん」と比べれば一目瞭然です。
 既存のキャラにひらひらのメイド服を着せただけの本でも、エロ本でもない、非エロ・オリジナルの「メイド本」なんていくらでもあります。萌えの源泉であるあのコスチュームを24時間着せておくにしても「ご主人様に身も心も捧げ尽くしているのだから当然」とか「実はそれを制服にしている傭兵」とか、そこそこ説得力を持たせて描写することは可能です。
 それに比べると、スクール水着を着る場所なんてプールか海かイメクラ(笑)ぐらいに限定されるから、つまりシチュエーションが限定されるから「メイドさん」などと比べると話をふくらませにくい、のかも知れない。もしオレが24時間スクール水着を着ているキャラクターを考案したとしても「なんでそんな格好をしているのか合理的な説明をせよ!」と言われたら頭を抱えますよ(笑)。
 エロの垣根を乗り越えた一般的なムーブメントにはなりにくいかもなあ……。
 今回だって、確かに人はたくさん来てたけど、「スク水の本」ではなくて「あのサークルの本」を求めてやって来た人が大半と思われ。「スクール水着」というカテゴリーがどれほどの訴求力を持ちうるのか? 答えが出るにはしばらく時間がかかりそうです。

 今回、当日を迎える前から唯一狙っていたすいーと・みるくの新刊「スクール水着のひみちゅ4」は、なんか一瞬で完売してたみたいです(泣)。


8/17(日) コミックマーケット64(東京ビッグサイト) 公式HP

 今回私は、事前に知人に向かって宣言していた通り通勤定期でコミケに行きました。毎日、有楽町線豊洲駅まで通勤してるんです。言うなれば、毎日コミケの入り口まで行っているようなもんですな。確かに交通費を多少浮かせることができましたが、なにしろ毎日の通勤ルートそのものなので、コミケに向かっているというのに高揚感が全くない(自爆)。
 「これではイカン!」と思ったのですが、会場のビッグサイトは西エントランスから入って東ホールまでたどり着くまでえらく遠いので、歩いているうちに「コミケに来たんだ」という高揚感がじわじわと。ああ良かった。

 でも結果から言うと、今回のコミケは大敗北、惨敗と言っていい有様でした。致命的な失敗を二つもしてしまったせいです。しくじったっ……! 致命傷か、これはっ……?(カイジ)
 ひとつめの失敗は、すでに2週間前に判明していた極めて大きな失敗。いや、これを「オレの失敗」と認めるのは非常に抵抗がある。「もんどり小屋」が、意図していたのとまるで違うジャンルに配置されてしまったんです。日記にも書きましたが、「ショタ通り」の真っ只中。サークルカットにちょっと余計なことを書いたせいだろうと思うんですが、これまで毎回配置されていた「創作ロリ小説」から完全に離れた場所、「もんどり小屋」の本来の客層からかなり隔たったエリアに飛ばされてしまいました。
 ふたつめの失敗は、これは完全にオレのミスです。ポカです。スペースのディスプレイ用のパーツの一部を自宅に忘れてきてしまったんです。棚の上に置いた本の前に斜めに張って本の内容をアピールする、最重要と言ってもいいパーツです。これがないと、通りすがりの一見さんに対する訴求力が極度に低下してしまいます。

 かなりのローテンションで開会を迎えたわけですが、さすがショタ通り! 単に全体的に売れ行きが落ち込むというわけではなく、面白い……というかある意味当たり前の傾向が表れました。ガチンコに♂×♂なのでみなさん引いてしまっていつも売れ行き不振の「04:晃」「06:けーた」が、今日は逆にかなり好調でした。売れ方のパターンがいつもと逆位相に(笑)。4−6二点買いの女性もいました。(←馬券みたいな書き方はやめなさい)
 この2冊はいつも売れ行き不振につき今回も少ししか持ってこなかったので「やばい、売り切れるかも」と気を揉みつつ、「新刊ないんですか?」攻撃にはぺこぺこ謝り通しで、どうも晴れやかな気分とは程遠い心持ちでスペースに座っておりました。

 売れ行き不振の理由のひとつとしてこれを挙げるのはあまりに穿った見方かもしれないけど、どうも人が少なかったような気がします。夏コミ3日目にしては。一般入場待機列解消・入場フリーが11時半というのはいつもより早くないかしら? 朝、会場に向かうバスの中から駐車場に並ぶ一般入場の列を見た時も「少ねえ!」と思ったし。ま、あの天気じゃ当然か。
 これはもしかして、奇跡的に「涼しい夏コミ」になるのでは?……との期待も高まりましたが、じわじわと暑くなって結局昼過ぎには蒸し風呂状態に。蒸し暑いッ! いくら外が涼しいからって、人出が少なめだからって、経費浮かせたいからって、最後までホール内に空調入れずに済ますってのはあんまりじゃないでしょうか? そこまでして「いつも通りのくそ暑い夏コミ」を演出したかったのでつか?>コミックマーケット準備会

 「夏コミが終わるまでは!」といろんなものを封印して我慢してきたけど、それに見合うだけの価値がある夏コミだったかと問われれば「いいえ」と答えざるをえない。一番痛いのは、なんとかひねり出した貴重な時間を使ってしこしこと印刷・製本した大量の既刊分が、そのまま大量の売れ残りになっただけという結果に終わってしまったこと。そうして無為に費やしてしまった時間を全て原稿に振り向けていれば新刊を出せたかもしれない……そう思うと、腸が煮え繰り返るほど悔しいです。悔やんでも悔やみ切れません。これからは「売り切れてもいいや」ぐらいの気持ちで、部数を絞ります。「もしかしたらいっぱい売れるかも。なんせコミケなんだから」と夢を見るのはもうヤメだ。夢では腹は膨れない。

 今回良かったことといえば「新しい靴が快適だったこと」ぐらいかな……。数日前に買ったばかりのおニューの靴なんですが、買った直後からコミケ出撃当日までずーっと雨に降り込められて全然外出できず、慣らし運転(?)がはなはだ不十分だったのですが、非常に快適でした。底がけっこうごついんだけど軽くてクッションが効いてて歩きやすいし、一日中履いてたのにほとんど蒸れない! いい買い物したなー。
 ……コミケとは全然関係ないんですけど、そうやってささやかな幸せ探しでもしないとやってらんない、そんな気分のブルーな夏コミですた。下の「コミティア64」のレポートと落差がありすぎるなあ。泣けてくる。
 なーんでこんな事になっちまったんだろうなあ……。(ベターマンの最終回風に) ←我ながらしつこいとは思うが、何度でも使いますよこのネタは



 それでは、新刊を落とした言い訳。
 体力面・精神面の両面で敗北を喫してしまったのが原因です。
 水木金の3日で原稿を書き上げ土曜日に製本とイベント前日の準備、という予定でした。かなり無理のある突貫工事ですが、決して不可能ではないはずでした。体調が万全で精神が高揚していれば。
 毎日の仕事、というか通勤の疲れがここまでたまっているとは予想外でした。いくら寝ても眠い。疲れが抜けない。体が重い。なんというか、体力を無限に吸い取られていくような感じ。
 これではいかん、精神力だ! テンションを上げろ! 精神の力で体を無理やり引きずり起こすのだ! とカタログを開いたのが更に裏目に出ました。「もんどり小屋」周辺のサークルカット。ウチとはかなり芸風が違う、そして客層も違うだろうサークルの並びの中に場違いに放り込まれた小説サークル。一気に挫折感に襲われました。心が折れてしまいました。

も う だ め ぽ

※単に「サークルの傾向および客層が『もんどり小屋』と大きく違う」という十光土佐の個人的認識を申し上げているだけです。他のサークルさんを誹謗中傷する意図は毛頭ありません。念のため。

 「サークルカットに余計なことを書いたこちらにも非はあるが、これは『配置ミス』に限りなく近い」とオレは思っています。とりあえず冬コミの申込で、サークルカット・補足説明欄・裏面アンケートをフルに使って準備会に三重に抗議しておきました。次回は元のロリえろ小説配置に戻れると思います。もしまた変なとこに配置されたら、会場にかんしゃく玉を持ち込んでバラまきます。(タイーホされるからやめなさい)


5/5(月/祝) コミティア64(東京ビッグサイト) 公式HP

 10時15分、会場入り。東ホールに向かう途中、コンコースの外にまたも大行列。去年の秋に続いて、またしてもコミティアと同日・同会場でキャラフェスが開催されていたのですよ。ワザとか? 前回はワンフェスだったし。

 これまでの経験から、GW開催の春の回は一年のコミティア通して一番売れる! と踏んで臨んだわけですが、大当たりでした! ほくほくです。(カットとは違うけど)新刊「小分けさん Volume10:征輝・征美 〜秘密の花園〜」が奇跡的に間に合ったり、在庫一掃大作戦が予想以上の成果を上げたり、追い風がぶんぶん吹きました。今年のイベント運を全部使い切ったんじゃないかと思うほどに(笑)。
 30分しか寝てないというバッドコンディションも吹っ飛ぶほどの売れ行き。仏恥義理でコミティア最高記録更新。「HP見て来ました。全部ください」という豪快なお客さんもいました。全12冊2400円お買い上げ、ありがとうございましたッ!
 あと、新刊が完売してしまったのもコミティアでは初めてですね。最後の一冊を巡ってお客さんがスペース前で掴み合いを!……すいません、激ウソです。もちろん話し合いで平和的に解決しておられました。女性のお客さんが男性のお客さんに譲って一件落着。申し訳ありません、時間的にあの部数が限界でした。もっと時間に余裕を持って作らないとダメですね。これに懲りずにまた来てやってくださいませ。お待ちしております。

 パッと見にはそんなに混んでるようには感じられなくて「あれ、GWのコミティアってもっと混んでなかったかなあ」と思ったけど、思い過ごしだったようです。現にいっぱい売れたんだし、会場内けっこう暑かったしな。結局「制服」の赤いエプロンが暑くて着られずじまいでTシャツ一枚で通してたのに、終わって外に出てみたら意外と寒くて慌てて上に一枚重ねました。

 さて、来月のサンクリ、そして夏コミ、受かるかなあ。できれば秋のレヴォも。


4/13(日) ぶんぶん!7(川崎市産業振興会館) 公式HP

 予定していた新刊「小分けさん Volume10:征輝・征美 〜秘密の花園〜」は、やっぱ間に合いませんでした。前回のアンケートに「他のイベントで見かけないので、ここでしか本を買えない」と書いた方、ごめんなさい。(←けっこう根に持ってる)
 「今年は全イベントで新刊を!」の目標、早くも挫折。

 売れ行きは、ものすごいスロースタートでした。コミティアと逆だな。実は再生産分の製本が終わってなかったのでむしろ好都合……とか思っていられたのも最初のうちだけで「これは『ぶんぶん!』での売上最低記録更新か?」とかなり暗澹たる心持になりましたが、ラストスパートがすごかった。売上の7割を閉会前の20分で稼ぎました。どういうわけか来る人来る人、みんなまとめ買いしてくれて。結局、最低記録更新どころか逆に最高記録を更新しました。ありがとうございました!

 さて、今回もリレー小説やりました。ノートも無事に全部回収できました。まだざっと目を通しただけの印象なのですが、前回に比べてパワーが落ちてるような……。ちゃんと破綻はしてるんだけど(笑)、それが面白さにつながってないような感じ。なんというか「破天荒な面白さ」みたいなものがあまり感じられなかった。
 私の用意した最初の一文があまりよくなかったようです。前回は「メガネ」という枠をがっちりはめたのですが、後で「メガネに全く興味も関心もない人は書きにくかったかもなあ」と反省し、今回は明確な「お題」を設定せずにどうにでも話を転がせるような出だしにしたつもりだったんですが、逆にとらえどころがなくてうまく話が弾まなかったのかもしれない。難しいもんですなあ。
 実は今回、私は1回も書けませんでした(泣)。ほんの1分のつもりでスペースを出てついうっかり知り合いのサークルで10分ほど話し込んでしまい、自分のスペースに戻ったら順番を飛ばされてますた(爆)。今回から明文化した「次の番のサークルが留守の場合は順番を飛ばす」というルールがきちんと守られていて大変けっこうなことなんですが、まさか自分の身に降りかかってくるとは夢にも思わなかったよ……。もちろん自分で作ったルールを自分で破るわけにもいかず、涙を飲んでノートを見送りました。2回目が来ることを信じて……。
 で、結局2回目は来ませんでした。やっぱ2周目のラスト近くまでは回らなかったか……。でもギリギリで回ってきたとしても「オチ担当」になっていた可能性大。ノートを見ていないからそれまでの話の流れを全く知らず、初めて読む(しかも、たぶんグチャグチャに破綻している)物語にその場でオチをつけるという難問に頭を抱えて、そこに閉会間際のまとめ買いのお客さんラッシュが重なっていたら……。そう考えると、むしろ回って来なくて良かったと言える。うん、あれで良かったんだ。

 ……とか強がりを言ってみるテスト。


2/23(日) コミティア63(東京ビッグサイト) 公式HP


 ゆりかもめを降りたところで「おかしい……」とは思ったんだよね。すぐそばに立っていた化粧っ気のないおねいちゃんがオレと同じ国際展示場正門駅で降りたのは全く予想通りだったが(笑)、他にも降りる人がぞろぞろいるんだもの。
 ビッグサイトのコミティアの場合、別のホールで同人誌と全く関係ないイベントが開催されているのはいつものことなので、多めに人が降りてもさほど不思議ではない。が、それにしては一緒に降りた連中、どいつもこいつもオレと似た匂いを持っていやがる(笑)。かといって、コミティアにこんなに人が来るわけないし(爆)。
 東ホールにたどり着いた時、疑問は氷解したのだったのだった。
 なんと、お向かいの東4・5・6ホールでワンフェスがああ! そしてコミティアの隣のホールでもトイ・フェスティバルとかいうイベント(うろ覚え)がああ! これでガッテンしていただけたでしょうか? ガッテンガッテンガッテンガッテン(連射)
 さて、この状況下ではコミティアの来場者数はどんな影響を受けるでしょう?
1.ワンフェスのおこぼれで、来場者数は増える。
2.ワンフェスと客の奪い合いになり、来場者数は減る。
3.ワンフェスとコミティアではもともと客層が違うので影響はない。

 オレの見たところでは、人出は今ひとつでした。正解は2か3か難しいところだが、1ではなかったのは確かだ(笑)。そのせいかどうかはともかく、当方の売れ行きも今ひとつ。唯一好調だったのはサークルカット通りの新刊、「小分けさん Volume09:敦子V 〜恋の手ほどき〜」。他は、もうちょぼちょぼ。本の種類だけはやたらと多いので(なんと11種類!)、それでなんとか数をかせいでいる感じ。「新刊をコンスタントに出せば道は開ける! 今年は全イベントで新刊を!」と奮い立たせた心がちょっとしおれてきた感じ。古い既刊がはけないまま新刊をコンスタントに出したら、机の上がどんどん狭くなるばかりだ。
 これでも、参加費も回収できなかった昔に比べればはるかにマシになってるんだから、贅沢言っちゃいかんのだろうか。いや、現状に満足してしまっては進歩はない! 「机の上が満杯」問題の解決も併せて、なにか新しい戦略を考えないとイカンなあ。
 次回はGWで人出には期待できるので、そこで何かドーンといきたいですな。その「何か」をこれから考えます。

 ちょっとしおしおになって帰ってきた後で、とんでもない追い討ちコンボ炸裂、というか発覚。またも不良品の告知をしなければならなくなりますた(泣)。
 今回の新刊「小分けさん Volume09:敦子V 〜恋の手ほどき〜」の10ページ目下段5行目の「清華先生」の名前が白黒反転文字になっています。これは、ルビを振る時の目印として反転文字にしていたのを元に戻し忘れたものです。今後のイベントの際「もんどり小屋」のスペースまでお持ちくだされば、例の「背に製本テープを貼っていない未完成品」と同様に、訂正した完全品と交換させていただきます。不良に気付かずに頒布してしまい申し訳ありませんでした。m(_ _)m
 一つのミスもない「100点満点のサークル参加」からは遠のく一方です、ううう……。



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