一 、 「 闇 」





 明るい廊下に、小さな足音が響く。
 窓の外は夜の闇。
 深夜の小児病棟の廊下を歩いているのは、看護婦のルネ。ナースキャップの後ろでまとめた髪は、腰まで届くほど長い。ぴったりとしたタイトスカートの白衣が、スリムな体の線を浮かび上がらせている。懐中電灯片手に、定時の病室巡回の最中だ。
 ナースステーションから最も離れた、病棟の端の四人部屋。この部屋を見れば巡回は終わりだ。
 音を立てないよう、ルネはそっとドアを開ける。廊下の照明が、細い光の帯となって病室の床に滑り込む。
 いきなり、何かがドアの陰から飛び出してルネに襲いかかった。懐中電灯が手から落ちた。
 真っ暗な病室に潜んでいたその男は、右手でルネの右腕を後ろにねじり上げた。左手で自分のズボンのベルトを外し、ルネの左腕もねじり上げるとそのベルトで両手首を縛った。
 両手を後ろ手に縛られたルネの背後で、ドアが大きな音を立てて閉じた。廊下から射し込んでいた明かりが消えた。
 室内の明かりは、ルネの手を離れて床に転がった懐中電灯が放つ弱々しい光の輪だけだった。
 その光の中に、全裸の少年達の姿が浮かび上がっている。
 この病室に入院していた四人の少年達だった。四人とも猿ぐつわを咬まされ、手首と足首をロープで縛られて裸で床に転がされている。
 男はルネの白衣の襟元をわし掴みにすると、引きずるようにしてルネを壁際まで歩かせた。そして、ルネの背中を乱暴に壁に押し付けた。
 白衣の襟元を掴んでいた右手が、一気に引き下ろされた。
 神聖な白衣が無残に引き裂かれ、ブラジャーも一緒にむしり取られた。白い双乳が外気に晒されて揺れた。
「ひっ……!」
 恐怖のあまり、声も出ない。後ろ手に縛られていては胸を隠すことも出来ない。
 ルネは床に座り込んで、男の目から少しでも体を隠そうとした。
 後ろには壁、目の前には男。そしてこの格好。逃げ道はどこにもなかった。
 うずくまって震えている獲物を見下ろすと、男は邪悪な笑みを浮かべた。
 ズボンを下ろすと、膨張し切った肉茎が飛び出した。
 ルネは、いきなり前髪を掴まれて顔を無理矢理上に向けられた。勃起した肉茎が頬に押し付けられる。灼けるように熱い。
 男はもう片方の手でルネの顎の両脇を掴んで口をこじ開けると、いきり立った肉茎を紅い小さな唇の間にねじ込んだ。
「んんッ! うぐ……」
 ルネは、口の中に押し込まれた熱い極太の肉塊を何とかして舌で押し出そうとしたが、無駄な抵抗だった。息苦しさと嫌悪感で涙が出てきた。その涙ですら、男の嗜虐心をそそるものでしかなかった。男はルネの前髪から手を離してナースキャップの後ろの髪を掴むと、ルネの頭を激しく前後させ始めた。
 硬い肉茎が看護婦の柔らかい唇で荒々しくしごかれる。口腔に深々と突っ込まれては引き抜かれ、また突っ込まれる。
 男は、ルネの可憐な唇を狂ったように凌辱した。
 後ろ手に縛られ白衣を引き裂かれ、口には汚らわしい肉棒を咥えさせられ、時おり喉の奥まで突かれてむせ返りそうになる。大きく揺れる剥き出しの乳房に、思春期に入ったばかりの少年達の四つの視線が突き刺さる。
 激しい屈辱感が身を焦がす。涙がとめどなく溢れた。
 男の動きが激しくなった。唾液でヌラヌラと濡れ光る怒張が、ルネの口の中で容赦なく暴れ回る。紅い唇の端から涎が溢れ出し、涙と一緒になって顎へ伝い落ちてゆく。
 頭を激しく揺さぶられ、思考が麻痺してきた。何でもいいから早く終わって欲しい……それしか考えられない。
 男が呻いた。口の中の肉茎がびくびくと跳ねた。ルネは、熱い樹液が口中の粘膜に激しく当たるのを感じた。次々に噴き出す樹液はたちまち口腔を一杯に満たし、喉まで流れ込んで来た。
 男が肉茎を引き抜くのと同時に、ルネが咳込んだ。射精はまだ終わっていなかった。肉茎の先端から断続的にほとばしるおびただしい量の白濁液がルネの顔や胸にまともに降り注ぎ、床に飛び散った。
「げほッ……うえッ……」
 ようやく肉茎から解放されたルネは、口の中にぶちまけられた白濁液をむせ返りながら吐き出している。ねっとりとした白い塊が、舌の上から糸を引いて床に落ちる。
 涙と精液にまみれたルネの姿態は、妖しいまでの凄艶さを漂わせていた。ナースキャップに、前髪に、頬に、紅い唇に、白い双乳の谷間に、凌辱の痕跡が生々しく飛び散り、こびりつき、滴り落ちている。
 男がルネの背後に回った。ルネの頭を床に押さえつけ、腰を浮かせた格好でうつ伏せにする。後ろで縛られたままの両手首が痛々しい。
 少年達の目の前で屈辱的な姿勢を取らされ、ルネの恐怖と羞恥心は増大する一方だった。
 布を引き裂く鋭い音が病室に響いた。白衣のタイトスカートの裾が一直線に大きく引き裂かれ、ストッキングとショーツに包まれた丸い双臀が覗いた。男の手がその上を這い回ると、ルネは羞恥に細かく身を震わせた。
 尻肉の柔らかい手触りをしばらく楽しんだ後、男はいきなりルネのストッキングとショーツに手をかけて引きずり下ろした。下半身を剥き出しにされ、ルネの恐怖は極限に達した。
「いや、やめて……!」
 男は左手でルネの腰をがっちり掴み、右手で剛直を握って狙いを定めると、腰を進めた。
 唾液と精液で濡れそぼった熱く硬い肉茎が太腿の間に侵入し、その先端が、誰にも触れられたことのない秘唇に触れた。そのまま、秘裂を押し広げるようにして狭い肉路にめり込んでくる。
「ぐッ! やッ……いやあッ! やめてぇ……ッ」
 ルネはろくに身動きできない体勢のまま、ずり上がるようにして肉茎の先端から逃れようとした。灼熱の異物が体の中に押し込まれてくるおぞましい感覚。野太い剛直が媚肉をかき分けてズズッと入り込んでくるたびに激痛が走る。
 ルネの悲鳴などお構いなしに男はぐいぐいと腰を突き出し、肉茎を根元までルネの中に埋め込んだ。
 ルネは死んだように動かなくなった。少しでも動けば、貫かれている部分から激痛が走る。声も出せない。まるで、太い杭で串刺しにされたようだった。
 男は、一杯に埋め込んだ肉茎をゆっくりと引き抜き始めた。太棹には処女の証の血がまとわりついている。亀頭が膣口にひっかかる辺りまで後退すると、ゆっくりとピストン運動を開始した。ピンク色の肉襞が巻き込まれ、めくり上がり、媚肉が軋みながら肉茎を締め付ける。
 ルネの意志とは全く無関係に、潤滑液の分泌が始まった。二人がつながった部分からクチュクチュと卑猥な音が洩れる。ピストン運動のピッチが上がってきた。
「あッ……あ……あ……ッ」
 男の動きに合わせて、ルネの口から弱々しい声が洩れる。最初の激痛は去ったものの、まだ貫かれるたびに電気のような鋭い痛みが走る。犬のように後ろから犯され、秘唇から愛液を滴らせ、はしたない音を洩らしている自分が信じられない。悪い夢を見ているとしか思えない。
 凌辱劇を見せつけられている少年達の躯を、生まれて初めての衝動が貫いていた。幼い肉茎が激しく勃起し、ドクドクと疼いている。余りにも強烈過ぎる刺激に、牡の本能が目覚め理性を圧倒していく。今まで感じたことのない激しい欲望が心と躯を灼いている。
 看護婦さんが、犯されてる……。
 膨れ上がった性欲の渦に飲み込まれた少年達は、ギラついた目で目前の凌辱劇を網膜に焼きつけていた。未知の快楽を求めて本能的に太腿で勃起を挟み、ぐりぐりと擦る。猿ぐつわの下からくぐもった呻きが洩れた。
 ルネを犯している男の動きが一際激しくなったかと思うと、男は大きく体を反らして肉茎をルネの中に目一杯埋め込み、痙攣した。膣に咥え込まれた怒張が一瞬膨れ上がり、次の瞬間、男の体液が猛烈な勢いで子宮目がけてほとばしった。
「ああッ、いやッ……! 熱い……ッ」
 体の奥底で熱い液体が奔流する、生まれて初めてのおぞましい感覚にルネはたまらず叫んだ。樹液の噴出が二度、三度と続く。胎内を一杯に満たしてなお送り込まれる熱い白濁液が、肉茎を深々と埋め込まれた肉花から溢れ出して床に滴った。
 少年達は、経験したことのない凄まじい快感に躯をがくがくと震わせ、猿ぐつわの下から切ない喘ぎを噴きこぼしながら生まれて初めての射精をしていた。幼い肉茎がびくびくと跳ね回りながら白濁液を噴き上げ、太腿の内側や床を濡らしていく。
 男が体を離した。まだヒクヒクと蠢いている秘肉から、萎え始めた肉茎が精液と愛液の糸を引きながらぬるりと引き抜かれた。


 今までどこに潜んでいたのか、新しく三人の男が現れた。
 自分の体が持ち上げられてベッドに乗せられても、ルネは全く抵抗する気配を見せなかった。後ろ手に縛り上げられ、白衣は前も後ろも無残に引き裂かれ、顔中涙と精液にまみれ、股間からはたった今注ぎ込まれた白濁液を溢れさせている。犯し抜かれ、汚し尽くされた哀れな生贄だった。
 ルネは男達に白衣を剥ぎ取られ、頭にナースキャップだけを残して全裸にされた。
 男の一人がベッドに上がって、ルネの前で立ち膝になった。そして、ぺたんと座っているルネの髪を掴んで引き寄せ、股間にそそり立っている肉の凶器を、放心状態のルネの半ば開いている口に押し込んだ。
 男は、ルネの頭を前後させると同時に自らも腰を律動させた。それも肉茎を真っ直ぐに出し入れするだけでなく、腰を左右に捻って角度を付け、口の中を激しく掻き回す。斜めに突っ込まれた肉茎の先端が、ルネの可憐な頬を内側から淫靡に盛り上がらせる。男の獣欲をそそり立てずにはおかない眺めだった。
 男がもう一人ベッドに上がると、ルネの両手首を背中で縛っていたベルトを外した。口の中を肉茎で掻き回されながら、ルネは自由になった両手をベッドに着いて楽な姿勢を取った。
 だが、それは更なる凌辱の幕開けだった。
 四つん這いで男のものをしゃぶらされているルネの腰に、後ろの男が両手を置いた。淡い繁みの下に覗いている痛々しい割れ目からは、破られた処女の名残と注ぎ込まれた白濁液が混じり合って溢れ出し、太腿の内側を伝って流れ落ち、シーツに赤い染みを作っている。
 凌辱の名残を滴らせている媚肉に、猛り狂った肉茎が一気に突き立てられた。
「……!」
 後ろの男は腰を大きく突き出して肉茎を深々と打ち込むと、ルネを後ろから激しく突き上げ始めた。前の男もその動きに煽られたように、喉まで突っ込む勢いでピストン運動を始めた。
 ルネは、頭にナースキャップを乗せただけの全裸で、犬の姿勢で、なす術もなく凌辱された。二本の肉棒で上下の口を塞がれ、抗議の声を上げることすらできずに。
 ルネは、半ば意識を失っていた。凌辱者達に深く貫かれる度に襲ってくる衝撃と震動、膣壁を激しく摩擦される度に起こる鈍痛がかろうじてルネの意識をつなぎ止めていた。大きく見開かれた、もはや何も映し出していない目から涙が流れ落ちた。
 突然、病室のドアが開いた。廊下の明かりが室内に射し込み、生々しい凌辱劇をくっきりと照らし出した。逆光の中に女性のシルエット。ウェーブのかかった、フワフワとしたボリュームのある髪。白衣のスカートも、まるで髪に合わせたように裾が大きく広がっている。
 ドアを開けたのは、先輩看護婦のリザだった。今夜はルネと二人で夜勤だったのだが、巡回に出たルネがなかなか戻って来ないので心配になり、捜しに来たのだ。
 男達は、全く動じていなかった。それどころか、まるでリザに見せつけるように一層激しくルネを犯し始めた。
 肉の杭で前後から串刺しにされて犯されている看護婦。その顔に、双乳に、股間に、そしてベッドや床に飛び散っている精液。目の前で展開される凄まじいまでの凌辱劇に、リザの体は硬直した。
 男の一人が、病室の入口で茫然と立ち尽しているリザの手を掴み、引き寄せた。
 室内に引きずり込まれたリザの背後で、ドアが大きな音を立てて閉じた。




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この物語はフィクションです。実在の人物・団体・事件等とは関係ありません。