江古田南口店

西武池袋線江古田駅の南口から、とりあえず千川通りに出てください。そして、武蔵大学方向に
西進すれば左側にあると思います。8階建てマンションの1階です。
はなはだ大雑把ですが、この辺りは細かい道がぐじゃぐじゃでとても言葉では説明できません。
図を描いても、やっぱり上に書いた以上のことは描けないと思います。

この店はけしからんですよ。あろうことか、吉野家のくせして食券を導入しているのですよ!
そんなに食い逃げが多いのか?(爆) あるいは、極端な人手不足か?

確かに、「オーダーは全て声だけで通し、食べ終わった食器を見ながら計算して後払いで金をもらう」吉野家の
流儀には問題がないわけではない。キャスト(従業員)にかかる負担がかなり大きい。混雑店のピーク時など、
見ていて気の毒になるほどだ。「大盛りつゆだく」「お勘定!」「追加で玉子ください」「お水もらえますか」
などなど、客の要求が四方八方から矢のように降り注ぐ。一人で同時に何人もの客をさばかなくてはいけない。
だが、「吉野家!」で山中伊知郎氏が指摘している通り「これは、慣れると、かえってお客さんとのお金の
受け渡しがスムーズにいって食券制よりもスピードアップがはかれることや、直接受け渡しをすることで
お客さんと信頼関係にもとづくコミュニケーションをもてることなど、メリットはいろいろある」
のである。
それに、忙しいということは客の回転が早い、効率がいいということでもある。

食券制では、客が全員「もう目ェつぶってても買えるわ」というぐらい販売機の操作に慣熟でもしていない限り、
絶対に「声によるオーダー制」より効率が落ちる。客との金の受け渡し作業から解放され、その上客の回転も
遅くなるとくれば、そりゃあキャストは楽だろう。だが、そんな吉野家は寂しい。
初めて吉野家に入った人は、店内を飛び交うキャストの声をやかましく感じるだろう。だが、それが吉野家の
あの活気を生み出していると思うのだ。コンビニ店員や電車内のアナウンスのような、いかにも「マニュアル
棒読みしてます」
みたいな腑抜けた声を出すキャストは、吉野家ではまずお目にかからない。従業員教育が
よほど行き届いていなければああはいくまい。
だが、食券制導入により、その「声」の何割かが、消えた。(←「プロジェクトX」の田口トモロヲ調に)

だいいち、食券販売機の操作に不慣れな客が連続で来たら、もう効率が落ちるどころの話じゃない。客への
説明でかえってキャストの仕事が増える(しかも本来必要ないはずの仕事が)。現に、オレが食ってる間に
新しい客が2人来たけど、2人とも操作を間違えていた。キャストのおねいさんが、数の訂正の仕方を
カウンター越しに一生懸命説明していた。あ〜あ、声でのオーダーなら10秒で済むものを……。

キャストの負担を軽減したいなら、西神田店など一部店舗で導入されている「ウォークアップスタイル」
あるではないか。普通の吉野家では、席が空いている限りどんどん客が入れるし席に座ったらぼんぼんオーダー
できるから、一人のキャストにオーダーの雨が降り注ぐことにもなるが、ウォークアップスタイルでは
カウンターのキャストが2人なら一度にオーダーできる客も2人に限定される。
食券制の何が気に食わないと言って、客の方を店に合わせようとする姿勢が気に食わない。普通の吉野家なら、
キャストの方が客に歩み寄ってくれる。不慣れな客がオーダーに迷っていれば「お決まりになりましたら
お呼びください」と言って一旦離れる。味噌汁を注文し忘れても、後から言えばすぐ出てくる。何人かの
グループ客なら、勘定は全部一緒にするか一人ずつ分けるか聞いてくれる。
はっきり言いましょう。食券制は、吉野家の良さを殺している。

店の前に「オーダーの仕方が変わりました」と張り紙してあるから、最初からこうだったわけじゃなくて
試験的に導入してみたのだろう。でも、多分ものすごく不評だと思うので、そのうち元に戻るかも
しれない。ってゆーか、戻せ。



吉野家とは関係ないのだが、「江古田」の読みは「えこだ」「えごた」のどっちが正しいのだろう?
駅名は「えこだ」だけど、地図を見ると町名は「えごた」になってるんだよなー。